ソニーが、新型の積層型CMOSイメージセンサーを発表。このセンサーは従来の裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた積層構造にすることで、カメラの進化に繋がる高画質化・高機能化・小型化を実現し、次世代の裏面照射型CMOSイメージセンサーとして位置づけられる。
▶ Sony Japan | ニュースリリース | カメラの進化を実現し続ける次世代の裏面照射型CMOSイメージセンサーを開発
▶ Sony Global - News Releases - Sony Develops Next-generation Back-Illuminated CMOS Image Sensor to Embody the Continuous Evolution of the Camera
追記:ロイターより
ソニーは、まずは小型化の技術が求められるコンパクトデジタルカメラやスマートフォンへの搭載を目指して商品化していく。第一弾として、これまでは外付けが必要だったカメラ信号処理機能を内蔵したCMOSイメージセンサーを開発し、今年3月からサンプル出荷する。さらに、暗い撮影場所でも高画質撮影を可能にする機能を搭載したCMOSイメージセンサーは6月から、逆光でも鮮やかな色を実現する機能を搭載したモデルは8月からサンプル出荷する。 ▶ ソニー、「積層型」のCMOSイメージセンサーを開発 | Reuters
追記2:DC Watchより
裏面照射型CMOSセンサーは、上部の画素部分(配線層を含む)と下部の支持基板からなる2階建て構造になっている。今回、画素と同じ層にあった信号処理回路を支持基板の代わりに下層に移動。処理回路の上にセンサーが乗る「積層型」を実現した。従来の支持基板は、回路の無い単なるシリコンの板だった。ソニーでは下層にできる処理回路のスペースを「イメージセンサーの新宝島」と表現するほどの自信を見せている。
従来よりも信号処理回路に大きな面積を割けるため、大規模な信号処理回路を搭載できるようになる。加えて、画素部分と信号処理回路部分を別々のプロセスで製造できるため、高画質化に特化した製造プロセスを採用できる。また、センサーチップの小型化もできる。
従来のCMOSセンサーでは、同一チップ上に画素部分とアナログ信号処理回路があったため、大規模な処理回路を搭載することが難しかった。今回製品化するのは1/3.06型と1/4型だが、将来的にはコンパクトデジタルカメラ用の1/2.3型や1/1.7型にも応用できるとする。
ただ積層化が最適なのは1/4~1/2.3型で、1/1.7型については画像処理回路部分にどれくらい機能を積む必要性があるかによるとしている。画像処理回路規模の例として、45nmプロセスを採用した場合、1/2.3型センサーにハイエンドクラスとされる1,600万ゲートのDSPを搭載できるという。 ▶ ソニー、新型撮像素子「積層型CMOSイメージセンサー」を開発 - デジカメWatch
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